「万年筆に興味があるけど、実際どうなの?」「万年筆を使ってみたいけど、ハードルが高そう…」などと思っている方へ、万年筆を1年以上使ってみた筆者が正直な感想を述べます!
私は元々書くことが好きでしたが、シャーペンだと筆圧が必要ですぐ疲れてしまうのが悩みでした。
もっと書き心地の良い筆記具はないかと探していたところへ、「万年筆は書きやすい筆記具だ」という情報が飛び込んできました。
調べてみたところ、入門用のお手頃価格の万年筆があることを知り、早速購入してみました。
使い始めてみると、本当に書きやすい!
力を入れなくても書くことができ、たくさん書いてもほとんど手が疲れません。
おかげでますます書くことが好きになり、今では生活に欠かせないものとなりました。
お手入れもそれほど面倒でなく、手入れの時間も含めて「万年筆を使う」ということを楽しんでいます。
さらに、万年筆は使えば使うほどその人になじむと言われていますので、自分だけの1本を育てていく楽しみもあります。
この記事では、これから万年筆を使ってみたいと考えている方に向けて、万年筆を使うメリット、選び方や基本的な使い方についてお伝えします。
万年筆を使うメリット
まず、私が万年筆を使ってよかったことをお話しします。
正直なところ、良かったことばかり思いつくのですが(笑)、以下の3つに絞ってみました。
書きやすい
個人的に、万年筆を使う最大のメリットはこれだと思います。
万年筆は「毛細管現象」を利用した筆記具で、簡単に言うと、紙にペン先が触れただけでインクが流れて紙に乗ります。
つまり、鉛筆やボールペンのように紙にペン先を押し付ける必要がなく、弱い筆圧でサラサラと書くことができます。
(むしろ、力を入れすぎてしまうとペン先が壊れてしまいます)
したがって、長い文章を書いても手が疲れにくいです。
ペンが滑るように動くので、書き味がとっても気持ちいいです。
インクを選ぶ楽しみがある
万年筆には、自分の好きなインクを入れることができます。
各メーカーからさまざまな色のインクが販売されていますので、選択肢は無数にあります(笑)
ネーミングが素敵だったりパッケージがおしゃれだったりすると、つい何色も買い集めたくなります。
万年筆を洗浄すれば、違う色のインクを入れ替えることができます。
他のペンではなかなかできないことですね。
自分だけの1本になる
万年筆は、使い続けるとペン先が変化して、持ち主にとって最適な書き味になっていくと言われています。
つまり、使い込むと自分だけの1本に育てられるということです。
この、「ペン先が変化する」というのも、他の筆記具にはない魅力だと思います。
(鉛筆やシャーペンは芯を使い切ったら終わりですし、ボールペンはリフィルを交換するとペン先も一緒に新しくなりますよね)
長く使い続けることができるので、愛着がわきそうです。
こんな人には向かないかも
以上、万年筆の良さを述べてきましたが、次にあげるような方にはあまりおすすめできません。
とにかく手軽な筆記具がほしい人
手軽さで言えば、どうしても他の筆記具にはかないません。
万年筆は長期間使わないとインクが固まってしまいますので、いざ使おうとしたときに書けないということが起こりがちです。
持ち運びにも多少の注意は必要で、気温・気圧・振動などの影響によってはインク漏れしてしまうこともあります。
万年筆大好きな私も、日常的に持ち歩く筆記具としてはボールペンを選んでいます。
文字を書くのが好きではない人
万年筆の良さのひとつは「書くことを楽しめる」ことですが、裏を返せばそれを楽しめない人にはおすすめできないということになります。
書くことが嫌いなら、わざわざ手間やお金がかかる筆記具を選ぶ必要がないからです。
ただ、書くことが嫌いではなく「書く機会が少ない」人が、万年筆がきっかけで書くことが好きになることは十分ありえると思います。
そもそも、万年筆に興味を持つ人が書くのが嫌いということはないと思いますので、興味があればとりあえず使ってみることをおすすめします。
筆記用具にお金をかけたくない人
お手頃価格の万年筆があるとはいえ、普通のシャーペンやボールペン等に比べると圧倒的に高いです。
安い万年筆なら1,000円ほどで売られていますが、それでも他の筆記具より高めですよね。
加えて、中に入れるインクや、インクを入れるための部品(コンバータといいます)なども必要です。
このような出費を無駄だと思う方にはおすすめできません。
実際に使ってみよう
ここまで読んで万年筆を使ってみようと思った方へ、以下入手~使用までのポイントをお話しします。
選び方
最初の1本は、お手頃価格のカジュアル万年筆でよいと思います。
はじめから高いものを買うとなるとハードルが高いですし、もし万年筆が気に入らなかった場合はもったいないですよね。
なのでまずは、お試しのつもりで1本買って、とにかく使ってみてください。
安いものだと品質が良くないのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、1,000円程度の万年筆でも十分書き心地が良いです。
高級な万年筆は、ペン先に金が使われていたり、軸に職人の手がかけられていたりします。
確かに金のペン先のほうがやわらかく書きやすいと言われますが、初心者にはステンレスのペン先のもので十分です。
店頭で高級万年筆の試し書きをしたことがありますが、ステンレス製のものとの差はそれほど感じませんでした。
初心者におすすめの万年筆は、
・パイロットの「カクノ」
・セーラーの「プロフィットジュニア」
です。
どちらも軸がプラスチックでできており、中のインクの色が見えるのが嬉しいです。
インクがセットでついてくるものもありますので、そちらもおすすめです。
もう少し上のランクのものがほしい場合は、
・パイロットの「コクーン」
がおすすめです。
本体が金属でできているため、前述のものより高級感があります。
それでいて、価格は4,000円程度と万年筆の中ではお手頃です。
上記万年筆は、私が実際に使ったものです。
それぞれの詳しいレビューも追って書きたいと思います。
インクの入れ方
インクの補充形式は、以下の3つがあります。
①「吸入式」…本体に直接インクを吸入するもので、入門用の万年筆ではまずありません。
②「カートリッジ式」…インクカートリッジを差し込んで使います。
③「コンバータ式」…コンバータというインクを吸入する器具を万年筆に取り付けて使います。
最近の万年筆は、②と③両方が使える「両用式」が一般的で、先ほど紹介したものもこれに当たります。
とにかく手軽なのはカートリッジですが、私はコンバータをおすすめしたいです。
理由は、インクの選択肢が広く、インク補充の作業をすることで「万年筆を使っている!」という実感が得られるからです。
紙について
万年筆を使いはじめて気づいたことが、「紙とインクの相性がある」ということです。
私の体験談ですが、万年筆にインクを入れてさあ書き始めよう!とノートに線を引いた瞬間、インクがぶわっとにじんで呆然としたことがあります(汗)
そこで調べてみたところ、現在主流のインクは「染料インク」で、このインクは紙によってはにじんだり裏写りしてしまうと知りました。
いろいろ調べて試したところ、万年筆と相性が良くて手に入りやすい価格のノート類は、
・Campusノート、ルーズリーフ
・Logicalノート
・MDノート
です。
どれもお店や通販で簡単に手に入れることができます。
ぜひ、万年筆と一緒に紙の選び方にもこだわってみてください。
インクについて
万年筆のインクは、カートリッジかボトルのいずれかの形で売られています。
それぞれ説明します。
カートリッジ
本体に差し込むだけで使えて、とても手軽です。
注意点は、万年筆と同じメーカーのものしか使えないことです。
また、ボトルインクに比べると割高で、色のバリエーションも少なめです。
さらに、カートリッジは一度取り付けると最後まで使い切らなければなりませんので、気軽に色を変えることができなくなります。
ボトルインク
とにかく種類が多く、見た目がおしゃれなのでつい集めたくなります。
万年筆と同じメーカーのインクを使うことが推奨されていますが、自己責任で他メーカーのインクを使うのは可能です。
私もパイロットの万年筆にセーラーのインクを入れたりしていますが、今のところ全く問題ありません。
インクを変えるときにしっかり洗浄すれば大丈夫なようです。
お手入れ
万年筆にとって一番のメンテナンスは、「毎日使う」ことです。
毎日使うことでインクの流れが良くなり、トラブルが起きにくくなります。(セーラーなどからは、長期間使わなくてもインクが固まらない万年筆も販売されています)
インクの色を変えたいときやインクの出が悪くなったときは、万年筆を洗浄しましょう。
やり方は、メーカーのサイト等で動画付きの解説がありますのでそちらを参考にしてください。
なお、同じインクを補充する場合は、洗浄せずにそのままインクを足して大丈夫です。
ただ、3か月程度使うとペン先に細かな紙の繊維などがたまってきてインクの出が悪くなるので、定期的に洗浄するのが良さそうです。
万年筆が活躍するシーン
私は、以下のように万年筆を活用しています。
手帳の記入
手帳(MDダイアリーを使っています)に、日々の予定や体調の記録などをつけています。
一日の終わりに必ず手帳を開いて記録をつけるようにしています。
たとえ短時間でも、手帳と向き合って書く時間を持つことで、メンタルにもいい影響があると感じています。
趣味の記録
私は観劇が趣味なのですが、観劇後には感想をノートにまとめています。
以前はシャーペンを使っていましたが、手が疲れるので休み休み書いていました。
それが、万年筆と出会ったことで大きく変わり、長文を一気に書き上げることができるようになりました。
好きなことだと書きたいこともたくさん出てくるものですが、万年筆なら書きたいだけ書くことができます。
思考の整理
私は、頭のなかで思考がぐるぐると止まらなくなり、気持ちが休まらないことがよくあります。
そんなときは紙に書き出すようにしているのですが、その際の筆記具も万年筆が最適だと思います。
万年筆の書き味は、思考をつかまえて文字にするのにちょうど良いのです。
サラサラとスムーズに書けるので、考えたことをすぐに書き出すことができます。
まとめ
万年筆はとても書きやすく、扱い方もそれほど難しくありません。
万年筆をきっかけに書くことを習慣にしたおかげで、生活に良い変化ができました。
迷っている人は、プチプラのものからで良いので、まずは万年筆を使ってみてください!

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