新訳「赤毛のアン」読後の感想

読書

先日、劇団四季ミュージカル「赤毛のアン」を観劇し、とても感動しました。
観劇レポートはこちらです。

原作は子どものころに読んだきりで記憶がおぼろげなので、もう一度読み直したくなりました。
そこで購入したのがこちら↓


「新訳」であるという点が一番の決め手でした。
古本屋で見つけた旧版の文庫本は、字が小さくて読みづらく、ところどころ古い表現があり引っかかっていたのです。

結果、新訳版を買って正解でした!
多くの方がレビューされているように、日本語が自然でとても読みやすかったです。

読後の感想を一言でまとめると、アンはマシューとマリラに引き取ってもらえて本当に幸せだったなということです。
アンは想像力豊かなだけでなく、努力家で賢い子で、友達を作る天才だと思います。
物語の最後のほうでは、とても素敵な女性に成長します。
アンがそんなふうに自分の長所を存分に伸ばすことができたのは、愛情を注いでくれるマシューとマリラに出会えたからこそだと感じました。

カスバート兄妹がいかにアンを愛しているかは、物語の随所から読み取ることができました。
ふたりとも、アンのことが好きでたまらないんだな、とほほえましくなりました。
アンへの愛情の注ぎ方は、マシューはとにかく溺愛していてアンが喜ぶことならなんでもしてあげる感じで、マリラは厳しく接しながらも心の深いところでアンのことをとても大事に思っている感じでした。
どちらの接し方も温かくて大好きですが、物語ではマリラの心情がとくに丁寧に描かれていたのが印象的でした。
独特の感性を持つアンに戸惑いながらも、アンの教育を担ううちに彼女の存在がマリラの中でどんどん大きくなっていき、かけがえのない娘になっていく過程に胸が熱くなりました。
マリラはちょっと頑なで厳しい人ですが、そんな彼女がふとした瞬間に見せるアンへの愛情は、よりいっそう温かく感じられました。

アンとギルバートの関係も丁寧に描かれていました。
アンはギルバートにからかわれてからずっと彼のことを無視しつづけますが、途中からはあえて無視を続けようとしているように思えました。
本当はマリラとの会話でギルバートのことを話題にしたいし、頭の良い彼と深い話をしてみたいのに、「許さないことに決めたから無視を貫く」という屈折した気持ちが読み取れました。
最後に二人が友人になれてほっとしました。
ギルバートも努力家でとても優秀な青年なので、きっとアンとはいいライバルになれるだろうなと思いました。

そして、アンとダイアナの友情について。
「腹心の友」の誓いを立てる場面では、幼い女の子特有の「ずっと友達でいようね」というある種の束縛のようだなと一瞬思いました。
しかし、読み進めるにつれて、二人の友情は本物だと思い直しました。
アンとダイアナは、途中からそれぞれ違う進路を選びます。
それでも、お互いが選んだ道に理解を示し、環境が変わって新しい人間関係ができたあともずっと仲良しでいられるのは、真の友人である証拠だと思います。

原作を読んで印象が変わった人物として、リンド夫人があげられます。
ミュージカルのリンド夫人は、デリカシーのない無神経な人という印象でした。
しかし、原作中の彼女は、確かに遠慮なく言葉を発するところはありますが、根はとても善良な人でした。
「変わり者」と言われるカスバート兄妹がアヴォンリーで暮らしていけたのは、リンド夫人の存在があったからとも言えると思いました。

分厚い本でしたが、すらすらと読み進めてラストに差しかかりました。
最後の3章ほどは、涙なしには読めませんでした。
この部分には、大好きなマシューとの別れとアンの決断が描かれているのですが、あらゆる箇所からアンとマシュー・マリラのお互いへの愛情があふれていました。
心の中で何度も、「アンがグリーン・ゲイブルズに来られてよかった、マシューやマリラと出会えてよかった」とつぶやいていました。


孤児院で発生した「手違い」は、アンにとっても、マシューとマリラにとっても、大きな幸運だったのだと思いました。

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