劇団四季「ゴースト&レディ」観劇レポート 2026.1.17

観劇

「ゴースト&レディ」大阪公演を観劇しました!
本作品の観劇は4回目、大阪では初めてでした。

以下、ネタバレ含む感想を綴ります。

今回心に残った点

まず、今回の観劇でとくに心に残ったことについてお話しします。

グレイとフローの関係について

グレイとフローが絆を深めていく過程が本作の見どころの一つだと思います。
絶望したら殺すという契約のようなものから始まった関係が、徐々に深まりを見せ、いつしか互いが心の支えとなっている。
結末がわかっていながらも、心打たれるものがあります。

二人の関係は、「フローが絶望したら殺す」という、いびつな約束からスタートします。
最初のうちは、互いにとって相手はそれだけの意味しかない存在でした。
グレイにとってはフローが絶望することだけが重要で、フローにとってはグレイが然るべきときに約束を果たしてくれることだけが重要です。

それが少し変化しはじめるのが、フローが書斎で書き物をしているところにグレイがやってきて、「芝居を書きたい」と打ち明けるところです。
このとき初めて、グレイは自分のことを話すし、フローはグレイに対してお返しにしてあげられることを見つけます。

ここのやりとり、温かくてとても好きです。
最初に交わしたいびつな約束のことは抜きにして、互いの心が通じ合い始めたのがわかるからです。
この会話のあとにグレイがフローにランプを渡すところも、ラストシーンと重なり素敵だと思います。
初めて気づいたのですが、このシーンでも「不思議な絆」のテーマが使われているのですね。

そして、グレイのフローに対する思いが強く表れるのが、2幕終盤の戦いのシーンです。

デオンに「あの女は絶望しない気だ」と投げかけられたグレイは、「ああ」と強くうなずきます。
最初はあんなにフローが絶望しないことに苛立って、仲間のゴーストに八つ当たりまでしたグレイが、です。
このときは、もうグレイにとってフローが絶望するかどうかは重要ではなく、ただそばにいることに価値を見出しているのだと思います。

そんなふうに感じたので、決めゼリフ「俺は、信じたいものを信じた!!」が胸に迫って感じました。

それから、今回気づいたのですが、グレイは1幕途中までは何度も「俺が主役だ」と言っていました。
そのためか、フローが生き生きと働きだすと面白くなさそうにしていました。
あくまでも自分中心だったのですね。
それが、フローが旅立つときには、「立派な主演女優だった」とねぎらっています。
いつの間にか、主役がフローになっています。
これも、グレイの中でフローの存在が大きくなっていったことを表しているのだろうなと思います。

フローもグレイも、これほど相手を大切に思っているのに、初めて触れ合うことができたのはフローが旅立ったあとなのですよね。
グレイに思いっきり抱きついて愛情を表現するフローに、涙が止まりませんでした。

誰かを信じることについて

グレイの決めゼリフ「信じたいものを信じた」はとっても好きなのですが、そんなふうに言える存在がいて、グレイは幸せなゴーストだったと思います。

もう一人のゴースト、デオンは、人を信じたことがなかったのではないかと思います。
劇中で、デオンは何度も「女に裏切られないようにするんだな」「どうして信じられるのか」という台詞を発しています。
そしてデオン自身も、男として生きるよう父親に命じられ、自分を偽って生きてきました。
そんな中では、きっと誰かを信じることなんてできなかったでしょうね。

グレイは、生きていたときこそ「裏切りの人生」でしたが、ゴーストになってからフローという信じる対象ができました。
ゴーストになってからではありますが、人を信じることができ、心のよりどころにすることができて、グレイは救われたのではないかと思います。

サムシング・フォーについて

最後にグレイがフローに「サムシング・フォー」を贈るところも大好きです。
なぜこの場面にこんなに感動するのか、自分なりに考えてみた結果が以下です。

  1. 贈るのがモノではなく「象徴」である
  2. フローの人生を見てきた者でないと贈れない
  3. 贈り方がグレイらしい

ひとつずつ説明すると、

  1. 贈るのがモノではなく「象徴」である
    4つのうち3つはモノではありません。
    唯一のモノであるランプも、「フロー自身の象徴」「二人の絆を表すもの」という側面が強いと考えます。
  2. フローの人生を見てきた者でないと贈れない
    グレイが贈ったものは、フローただひとりを喜ばせるために考え抜かれたサムシング・フォーだと思います。
    フローが何を頑張ってきたのか、何を支えにしていたのかを知らなければ贈れないものばかりです。
  3. 贈り方がグレイらしい
    ランプのくだりで観客をクスっと笑わせ、美しい青空で泣かせる…このギャップがたまらないです。
    お茶目でちょっと皮肉屋、でもフローを心から思っている、そんなグレイらしさにあふれた演出です。

キャストについて

当日のキャストはこちらです。

町島フローと加藤グレイの組み合わせは、名古屋公演で初めて観て、今回が2回目です。

町島さんのフローは、意志の強い女性でありながら不安や揺れる心を抱えながら生きている感じで、共感を覚えました。
町島さんは、「心の羅針盤~」のフレーズを全くゆらぎのないまっすぐな発声で歌っていましたね。
CDの谷原さんは、この箇所でところどころ声が揺れていて(それでも音程は完璧で歌詞もはっきり聞こえるのがすごい)、それがフローの高ぶった感情を感じさせます。
町島さんの歌い方では、フローの信念がより強く感じられました。
どちらの表現も素敵です。

加藤さんのグレイは、最初はフローが悩み苦しむのを面白がって見ている感じがします。
その気持ちが徐々に変化し、フローに思いを寄せるようになる過程が良いです。

芝さんのホールも2回目ですが、相変わらず他のどのホールより憎々しい(笑)
すごく横暴な感じがして、明らかにパワハラタイプだと思います。
絶対に職場にいてほしくないですね…。

岡村さんのデオン、とにかくかっこいいです!
初めて観たときのデオンが岡村さんで、一気にデオンのファンになりました(笑)
妖艶な姿や華麗な剣さばきに不思議な魅力があり、目が離せなくなります。
敵役なのにかっこいいなんてずるい…

座席と見え方について

2階最前列、センターブロックで観劇しました。
私は背が低いので、舞台の前のほうは壁が重なって見えづらかったです。
背の低い方は2列目より後ろをおすすめします。

2階席のいいところは、ラストシーンで会場が無数のランプに包まれるのを見ることができる点です!
これは2階席で体感するのが一番です。

それから、2階席だったおかげで、壁にかけられたドレープの布が見えました。
ランプを隠すためかな?と思ったのですが隠しきれていませんでしたし、当時の劇場をイメージしているのかなと想像しました。

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