先日、劇団四季の「マンマ・ミーア!」名古屋公演を観劇しましたので、感想を綴ります。
この作品を観るのは、2021年の福岡公演以来となります。
そのときと違った感じ方をした場面もあれば、相変わらず大好きな場面もあり。
キャストも当時とは変わっており、新たな楽しみがありました。
そして、この公演は現名古屋四季劇場のファイナル公演となります。
個人的に思い入れのある名古屋四季劇場での最後の観劇となり、少し名残惜しい思いもありました。
以下、ネタバレありで感想を綴ります。
一番の見どころは
この作品の一番の見どころ(聴きどころ?)は、ABBAの音楽だと思います。
どの曲も印象に残る素敵な曲です。私は特にDancing QueenとMamma Mia!が好きです。
作品中の楽曲は舞台のために書かれたものではなく、既存の楽曲を使ってミュージカルに仕立てた形になります。
それなのに、どの曲も登場人物の内面を豊かに表現していて、とても曲が先にあったとは思えません。すごいですよね。
好きなシーン
好きなシーンはたくさんありますが、特に好きなところを3つ。
“Dancing Queen” の場面
先ほども好きな曲に挙げましたが、この曲が歌われる場面も大好きです。
Dancing Queenといえば、カーテンコールで客席が一体になって盛り上がる印象が強いですが、私は劇中で歌われるDancing Queenのほうがずっと好きです!
まず、この曲を歌う3人―ドナ、ターニャ、ロージー―の関係性がとってもいいです。
3人のやりとりから、何年たっても変わらない友情が感じられます。
それぞれ恋愛に対する考え方が全く違い、大人になってからは違う道を進んでいるけれど、それでもずっと友人でいられるのっていいなぁと思います。
そして、「踊って歌えば人生は最高」という、まっすぐで前向きな歌詞が素敵です。
親友を元気づける場面でこのストレートな歌詞が歌われるからこそ、この曲はいいのだと思います。
ドナがソフィにウェディングドレスを着せる場面
ここは、何度観てもぐっときてしまいます。
ウェディングドレスを着た娘を少し寂しそうに見つめながら20年間を振り返るドナ、「ママを誇りに思っている」ときらきらした笑顔でまっすぐに伝えるソフィ…子どもが親の手を離れていく切なさがたまらないです。
前回観たときは、ソフィも母から離れることを寂しがっていたように感じました。
しかし、今回は、ソフィはずっと笑顔でいて未来への希望にあふれている感じでした。
その分、娘を送り出すドナの寂しさが際立ちました。
ソフィと顔を合わせている間は絶対に涙を見せなかったのに、ソフィが部屋を出て行ったあと、自分の体を抱くようにして肩を震わせていたドナの姿に、思わず私も涙してしまいました…
ラストの “I have a Dream” の場面
未来への希望を感じさせるエンディングが大好きです。
旅に出るソフィとスカイ、それを見送るドナと3人の父、それぞれに幸せな未来が待っているんだろうなと予感させられます。
そして、この場面で歌われる曲はオープニングと同じですが、歌っているソフィの心情はまったく違うと思います。
オープニングでは、ソフィは父親がわからないことをコンプレックスに思っていて、自分が本当に望んでいるものが何なのかわかっていない状態です。
一方、エンディングでは、自分がどうしたいのかはっきりわかっていて、スカイとふたりで生きていくことを決意しています。
エンディングでの「夢」は、きっと未来への希望のようなものなんだろうな、と思います。
その他感想・解釈
ドナと3人の父との関係
ドナとサム・ビル・ハリーとの関係がどんなものだったか、私なりの解釈がこちらです。
サム:ドナが一番激しい感情を向けるのがサムですが、本当に愛していたからこそ、裏切られた憎しみが強いのだと思います。一番会いたくなかったけど、一番会いたかった相手なのでしょうね。
ビル:劇中でドナとのデュエットはありませんし、台詞のやりとりからもビルに対する思いはあまり読み取れません。本当に一夜だけの関係だったのかなと想像します。
ハリー:過去の思い出を穏やかに語り合うナンバーがありますが、そんなふうに2人のことを振り返ることができるのは、お互いに未練はないからだと思います。ハリーの現在のパートナーが男性ということからも、ドナとの関係は友人に近いものだったのかなと想像できます。
母親世代3人がいいキャラ!
この作品の登場人物はみんな個性的で面白いですが、特にドナ、ターニャ、ロージーの3人が好きです。
この3人に共通しているのは、既存の幸せにとらわれずに、自分なりの生き方を見つけているところです。
自立した女性であり、いかにも「自分の人生を生きている」という感じです。
3人のパワーと魅力がこの作品をひっぱっているように思います。
キャストについて
当日のキャストボードです。

特に印象に残った方は、
・江畑 晶慧さん
直近ではグリザベラ役やエルファバ役で観ており、とにかく歌唱が力強くて素晴らしい俳優さんという印象です。
この作品では、特に “Mamma Mia!” と “The Winner Takes It All” が素晴らしかったです。この2曲だけでももう一度聴きたい…
強い女性だけど、お茶目なところや実は弱いところも併せ持つドナでした。
・石村 知幸さん
今回の観劇で初めて知った俳優さんです。
明るくチャーミングで、素敵なソフィでした。
声がソフィという役の印象にぴったりで、どのナンバーも楽しんで聴かせてもらいました。
・恒川 愛さん
私の中では「長身でかっこいい俳優さん」という印象ですが、まさにターニャ役にぴったりの方だと思います。
かっこよさの中に色気があり、大人の余裕を感じさせるターニャでした。
・菊池 俊さん
一郎彦役で観たことがあったので、全くイメージの違うペッパーをどう演じられるのか楽しみにしていました。
一郎彦役の繊細な印象が強かったので、カラリと明るく爽やかな菊池ペッパーが登場したとき、本当に同じ俳優さんなのだろうか…と信じられない思いでした。
身のこなしが軽やかでかっこよかったです。
そして、今回のキャストの中では、過去に江畑さんがソフィを、田中さんと鈴木さんがスカイを演じられていたようです。
確かに、初演が2002年なので、ソフィがドナの年齢になるぐらいの年月が過ぎています。
こんなにも長くこの作品が愛されているのは素晴らしいですし、かつてのソフィやスカイが今はその親世代を演じていると思うと感慨深いです。
まとめ
悪い人がひとりも出てこない、超ハッピーなミュージカルです!
重い作品や考えさせる作品も好きですが、こんなふうに元気になれる作品も定期的に観たくなります。
現名古屋四季劇場での公演は、2026年2月23日までとなります。
まだ空席はありますので、幸せ気分になりたい方はぜひ名古屋劇場へ足を運んでみてください。
おまけ
余談ですが、名古屋四季劇場、画像の赤丸のところに演目名が入るのが好きだったんです…今回は入ってなくてちょっと残念!



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