先日、劇団四季の「赤毛のアン」京都公演を観劇しました!
この記事では、舞台の感想を綴ります。
以下、ネタバレ含みます。
「赤毛のアン」は子どものころに本で読んだことはありますが、舞台を観るのは初めてでした。
途中、アンを中心とする登場人物たちのコミカルなやりとりに何度も笑わせてもらいつつ、最後は温かい気持ちになれるミュージカルでした。
良かったところ
アン、マシュー、マリラの関係
最も印象に残ったのは、アンとマシュー、マリラとの間に生まれた温かい絆です。
始めは、マシューとマリラは手違いで現れた女の子のアンに対して戸惑っていましたが、すぐにアンを好きになったことが分かりました。
そして、マシューとマリラの人柄もとってもすばらしいと思います。
マシューは、口下手ですが意外にお茶目なところがあり、アンに向けるまなざしがとても優しかったです。
特に印象的だったのは、アンを喜ばせようと「パフスリーブ」の洋服を買いにいくところです。
「パフスリーブ」という言葉がどうしても覚えられず、でもそれを買えばアンが喜ぶことだけは分かっていて、慣れないお店に走って一生懸命探し回る、そんな不器用なやさしさが素敵です。
マリラは厳しいですが、厳しさの裏には愛情があることがよく分かりました。
この兄妹は、愛情をうまく言葉にできないところが似ていますね。
でも、2人の気持ちはちゃんとアンに伝わっていたと思います。
だからアンは、奨学金を辞退してまでグリーンゲイブルズの家に残ることを選んだのだと思いました。
小説を読んだときに印象に残っていたマシューの台詞、「男の子12人より君1人のほうがいい」(うろ覚えです…)は、舞台でもそのまま生かされていました。
アンへの思いがぎゅっと詰まったこの台詞、とても好きです。
明るく生きるアン
アンの明るさに元気づけられました。
アンは、幼い頃に両親と死別し、その後も誰にも欲しがってもらえず、つらい思いをたくさんしてきたはずです。
それでも、楽しいことを想像して明るく生きて、周りの人まで元気にする姿には励まされました。
劇中では何度も「かんしゃく持ち」と言われてしまいますが、感情をまっすぐに表現できるところもアンの魅力のひとつなのではと思います。
ギルバートとダイアナ
この2人もとってもいいキャラクターだと思います。
どちらの人物も、子どものころに本で読んだ印象とだいぶ違っていました。
ギルバートは、本で読んだときは性格の悪いいじめっ子だと思っていました。
しかし舞台では、石板事件のあとに教師に対して「僕が悪いんです」と素直に認めていて、その後も何度もアンと仲直りしようとしていて、案外いい子なのではと思いました。
おそらく彼は初めからアンに好意を持っていて、好きな子についいじわるしてしまうタイプだったのでしょうね。
ダイアナは、小説の印象では上品なお嬢様という感じでしたが、舞台では意外に天然な印象でした。
アンが緑色に染めてしまった髪をバンダナで隠しているのを見て、ダイアナが「私もアップにしてみたいー!」と無邪気にはしゃいでいたのには思わず笑ってしまいました。
アンの豊かな想像力や明るさと通じるものを感じ、2人の気が合ったのも納得できました。
惜しいと感じたところ
それぞれの人物がとっても魅力的だった分、アンと周囲の人々との関係をもっと掘り下げてほしかったです。そこだけが少し物足りなく感じました。
元は児童文学ですので、そこまで求めるのは違うのかもしれませんが…
キャスト
私が観劇した日のキャストはこちらです。(写真下手くそですみません)

座席からの見え方
座席は2階の2列目センターブロックで、見やすい席でした。
京都劇場は2階の1列目にシートクッションがあるので、手すりが視界に入るようなことはないかもしれません。1列目でもよかったかなと思っています。

自席からの見え方はこんな感じでした。
この緞帳、パステルカラーの絵がかわいくて一目で気に入りました。
(本当はもっときれいな色だったのですが…)
余談
話の本筋とは関係ないですが、思ったことを2つ。
余談①
アンを孤児院に返す話をしているときに登場した「女の子を欲しがっている夫人」、わかりますでしょうか。
ミュージカル「レ・ミゼラブル」を観たことがある方ならお分かりかもしれませんが、この人がテナルディエ夫人にそっくりだと感じました。
アンがあのまま引き取られていれば、コゼットと同じ目に遭ったかもしれませんね…
マリラが止めてくれてほっとしました。
余談②
アンが孤児院に返されそうになったときの台詞「絶望のどん底に落ちる」、これどこかで聞いたことありますよね。そう、「ゴースト&レディ」です。
この台詞を聞いた瞬間、他の作品の観劇中であるにも関わらず、グレイとフローが頭の中で歌いだしました(笑)
まとめ
個人的に忙しい時期と重なってしまい、一時は観劇を諦めようかとも思っていましたが、行ってよかったと心から思いました。
そして、今度は「赤毛のアン」の小説をもう一度読んでみたくなりました。
大人になった今読み返してみれば、また新しい感想を抱くだろうなと思います。

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