先日、「ゴースト&レディ」大阪公演を観劇しました。
大阪公演の観劇はこれで最後になるので、名残惜しい気持ちでいっぱいです。
以下、ネタバレありで感想をお話しします。
今回は、初めて観たときからずっと座りたいと思っていた、1階上手側からの観劇でした。
念願の客席を通ってはけていくグレイが観られましたし、舞台に近い席で迫力があり満足度の高い観劇でした。
感想・考察
まずは、今回の舞台を観ての感想や考えたことをお話しします。
以前の公演の感想は別記事に書いていますので、併せてご覧ください。
キャラクターについての解釈
前のほうの席だったので俳優さんの表情や動きがよく見えて、ひとりひとりをじっくり見るには最適でした。
いつもは周りの人の中にまぎれてしまうキャラクターも、しっかり追うことができました。
そんな中で、今回とくに注目したのがエイミーです。
エイミーは、登場人物の中で最も共感できるキャラクターです。
私自身もエイミーのように、憧れて選んだ道が自分には合わないと気づいて軌道修正した経験があるからです。
看護団の中でのエイミーに着目していたのですが、てきぱき動く看護婦の中で気後れしてしまい、自信を失っているように見えました。
人を救いたいというまっすぐな思いはあったけれど、仕事の内容や環境が彼女に合わなかったのでしょうね。
だから、結婚という新しい道を見つけられたのは幸せなことだし、それは決して「負け」や「諦め」ではなく、前向きな選択だったのだと思います。
そして、今回ちょっと違うとらえ方ができたのがホールです。
ホールは何度観ても憎いキャラクターですし(特に芝さんが演じると憎々しさが倍増します笑)、組織の中には絶対いてほしくないタイプの人間です。
でも今回の観劇では、ホールなりに軍の中で出世しようと必死でやってきて、軍医長官までに成り上がってきた並大抵ではない苦労が見えた気がします。
だから、フローを邪魔者に思ってしまう心理が、共感はできなくても理解できました。
ランプについて
フローの象徴である「ランプ」ですが、それは同時にグレイがフローを守るためのもので、グレイの分身のようにも思えました。
「ランプ、忘れるなよ」という台詞が何度か出てきますが、グレイはフローを守りたいという気持ちをランプに託しているのではないかと感じます。
だから、最後のお別れのときも、「一緒には行けないけれど、このランプがおまえを守ってくれる」という思いを込めて、フローにランプを渡しているのかなと想像しました。
酒場のシーンの衣装
生前のグレイがシャーロットとジンの飲み比べをする場面です。
2026年2月号のアルプに「ゴースト&レディ」の衣装に関する記事があり、その中に「このシーンはグレイ目線の回想であることを表現するためにある工夫がされている」とありました。
それについての私の答えがこれです。
ここで登場する人々は、仮面をつけてモノクロの衣装を着ていますが、シャーロットだけはカラーの衣装で素顔です。
つまり、グレイの中ではシャーロットだけが輝いていたんだと思います。
このあとの展開を考えると、なんだかとっても切ないです。
そんなことを考えながら観ていると、デオンもカラーの衣装で登場することに気づきました。
こちらは、忘れたくても忘れられない人物だったのでしょうね。
ボブはキーパーソン
ボブは、フロー以外にゴーストが見える数少ない人間という点で、物語のキーとなっていると思います。
グレイが消えてしまったことでフローは深い悲しみと絶望の淵に落ちますが、本当に辛いのは、悲しみを誰とも分かち合えないことだと思います。
想っていた相手はゴーストで、他の人には見えていないからです。
でももしかすると、ボブには話していたかもしれないですね。
フローにとっては、グレイとの思い出を共有できる唯一の相手なのですから。
フローとグレイの美しい結末を見届けることができたのは、ボブだけの特権です。
そう考えると、かなり重要な役柄だと思います。
フローの信念を貫く強さ
今年の1月に行われた新日本フィル×富貴晴美コンサートの曲目解説の中で、「フローには、不屈の強さのほかに、患者の心に寄り添うというもう一つの強さがある」といった話がありました。
フローは、「誰だろうとひとりで行かせはしない」という信念を持って患者に寄り添い続けますが、それは相当の使命感と強さがないとできないことだと思います。
劇中では、人の死はだいぶマイルドに描かれていますが、実際に人の最期に立ち会い続けるのは精神的にとても消耗するはずです。
それをやり遂げたフローは、やっぱり強い人なんだなと思いました。
そんなふうに思ったので、グレイがフローを迎えに来て「おまえをひとりで行かせるわけにはいかない」という言葉を発したとき、フローが頑張ってきたことが最高の形で報われたと感じました。
ラストシーン
グレイがフローに「サムシング・フォー」を贈る場面は、私が座っていた位置からはフローの表情がよく見えました。
アレックスのプロポーズのときとは違い、心から嬉しそうに、笑顔で応えていました。
グレイからランプを受け取っていよいよ旅立とうとするとき、フローは「ジャック」と名前を呼びますが、今回の谷原さんフローはしっかりとかみしめるように名前を呼んでいて、涙を誘われました。
最後にグレイが劇場を去るとき、上手側にできた道を少し驚いたような表情で見ていました。
そして、「よしっ」というように微笑み、晴れやかな表情で劇場をあとにしていました。
このときのグレイ、実にいい表情をしていました。
ずっとやりたかったことを叶えられて、思い残したことがなくなって、グレイ自身も美しい結末を迎えられたんだろうなと思いました。
その直後、入れ替わるようにフローが登場するのがまたいいです。
まるで、「私は見ていましたよ」とでも言っているかのように感じられました。
新たな発見
座席位置の関係で、新たに発見したことがあります。
フローは、ドルーリー・レーン劇場でグレイと出会ってから帰宅したとき、ドアの前で深呼吸をしてから家に入っていました。
これは、劇場内のほとんどの座席からは、セットの陰になって見えない動作です。
この場面に限らないと思いますが、見えないところでもちゃんとお芝居をしているということが自分の目で見られて、なんだか得した気分でした。
座席からの見え方・聞こえ方について
この日の座席は、1階上手側の前方でした。
少し斜めから見ることになり、舞台にだいぶ近いため決して見やすくはありませんが、その分迫力が感じられ、細かな表情や動作までよく見えました。
何より、劇場を去るグレイが観られたのが幸せでした。
音の聞こえ方は、スピーカーが近いせいか大きめに感じました。
俳優さんの声は、生の声とマイクを通した声の2種類が聞こえました。
音のバランスという点では2階席のほうが圧倒的にいいと思いますが、俳優さんの生声が聞けるのは舞台に近い席の特権です。
まとめると、初見ではおすすめできないですが、2回目以降なら楽しめる席だと感じました。
キャストについて

谷原さんのフローは久しぶりに観ました。
歌、何度聞いても変わらず素晴らしいです。
間近で歌声を浴びることができて幸せでした。
分部さんのアレックスは初めて観ました。
寺元さんのアレックスは生真面目な印象なのに対し、分部さんのはちょっとキザな感じがしました。
特に、「サムシング・フォー」でサファイアの指輪を恭しく差し出す仕草にそれが表れていました。
コンサートで歌を聞いた竹田さん、エイミー役で観られて嬉しかったです。
「あなたが遠くて」の透明感のある歌声が、とっても素敵でした。
芝さんホールは、相変わらず憎いパワハラ上司タイプでした(褒めてます)。
でも、デオンにフローを「消せ」と命令するところや、フローに銃を向けるところで少し震えていて、そこに人間味を感じました。
岡村さんのデオンはさすがの安定感です。
燃えるような情熱の中に、女性らしいしなやかさが感じられるデオンでした。
心残りは、萩原さんのグレイが一度も観られなかったことです。
CDで何度もお声を聴いていて、イメージだけは出来上がっているのですが…
萩原さんがどんなふうにグレイを演じるのか見てみたかったです。
まとめ
以上、「ゴースト&レディ」の感想でした。
本当はもっと大阪公演を観に行くはずだったのです…
なのに油断していたらチケットが売り切れていて、戻りも拾えずこれがMy楽です。
千秋楽の配信を見ようかな…と考え中です。
舞台を配信で見るのはあまり好きではないのですが、こればかりは別です。
「ゴースト&レディ」大阪公演千秋楽 ライブ配信
日時:5月17日(日)13:00
見逃し配信:5月20日(水)~5月27日(水)
視聴料金:5,500円
◎公式サイトはこちら
再演を心待ちにしています。
何を差し置いても必ず観に行きます!
チケットは激戦になるでしょうし、できればロングラン公演をしてほしいです。



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