先日、劇団四季「恋におちたシェイクスピア」を観劇しました。
ストレートプレイにはやや苦手意識があったのですが、話は難しくなく、コメディ要素もあって楽しめました。
もし私と同じように、ミュージカルは好きだけどストレートプレイはどうかな…と思っている方がいれば、一度観てみることをおすすめします!
話の筋や人物関係をつかむまでは少し苦労しましたが、それさえ分かればどんどん面白くなっていって、物語にぐっと引き込まれました。
もしこれから観る方がいれば、観劇前に登場人物の名前と関係は把握しておくことをおすすめします。
それがきちんと理解できていれば、もっと話に入っていきやすかったと思います。
以下、ネタバレありで感想をお話しします。
ストーリーについての感想
まず思ったのが、「この作品は、芝居を愛する人の物語だ」ということです。
芝居を観る側、書く側、演じる側とさまざまな立場の人間が登場しますが、みな根底に「芝居への愛」があるという点が共通していると思いました。
心に残ったのは、ヴァイオラの「ただ演劇を愛しているだけ」というストレートなセリフです。
その前後で語られた「劇団の俳優さんが私のために演じてくれる」という内容のセリフは、核心を突いているようでハッとしました。
生身の俳優さんが目の前で演じてくれるから、演劇は特別な体験になるのですよね。
特によかったシーンは、ローズ座が閉鎖に追い込まれたときにライバル劇場であるカーテン座のバーベッジが手を貸したところです。
このバーベッジの行動は、自分の劇場の利益だけでなく演劇界全体のことを考えての行動だと思います。
ここにも、芝居への「愛」が感じられました。
このシーンに至るまでは、バーベッジはいけ好かないやつだと思っていましたが、いいところもあるんだと見直しました(笑)
そして、「ロミオとジュリエット」本番のシーンもよかったです。
ジュリエットを演じるはずだった役者の声が出なくなり、代わりに舞台袖に来ていたヴァイオラを舞台に立たせようとするとき、反対の声に対してバーベッジが「どうせ何をやってもリンチだ」と開き直っていました。
その後に役者たちの間に熱い連帯感のようなものが生まれたように感じ、観ている私まで胸が熱くなりました。
「なんとしてでも芝居を成功させる」という強い思いが伝わってきて、好きなシーンのひとつになりました。
物語の幕切れはとても美しかったです。
芝居を愛する人たちに見守られながら、紙吹雪が舞う中で一心不乱にペンを走らせるウィルの姿に、思わず涙してしまいました。
好きな登場人物
登場人物では、ヴァイオラの乳母とキットが特に好きになりました。
乳母は、ヴァイオラのよき理解者です。
この人がいてくれて、ヴァイオラはずいぶん救われたんじゃないかと思います。
キットの明るいキャラクターは素敵ですし、ウィルとのやりとりはほほえましかったです。
特に、バルコニーの下でウィルがヴァイオラに愛の言葉を語りかけようとするとき、キットが後ろで入れ知恵をしていたのが面白かったです。
そんなウィルが物語の途中で殺されてしまって、観客としても悲しかったです。
だから、ラストで霊としてウィルの前に姿を現してくれて、少しほっとしました。
ウィルのアイデアを引き出していくやりとりは生前と変わらなくて、ほほえましい反面切なく感じました。
舞台セットについて
舞台は最初から幕が開いている状態で、舞台には木組みのセットが置かれていました。
見方しだいでなんにでも変身しそうで、「同じセットの見せ方を変える」タイプの演出が好きな私は、開演前から期待をふくらませていました。
期待に違わず、同じセットが劇場、ヴァイオラの部屋、舞踏会のホールなどさまざまな場所に変身していました。
こんなふうに、観客の想像力があってはじめて成立するのが演劇なのですよね。
特に面白いと思ったのが、「ロミオとジュリエット」本番のシーンです。
セットが回転することによって、舞台裏の視点と客席側の視点を切り替えていました。
キャストについて
当日のキャストボードです。

余談ですが、京都劇場にもついにデジタル化の波がやってきたのですね…
デジタルのキャストボードはおしゃれで見やすいですが、私はアナログが好きです。
演劇そのものがアナログなので、物理的なボードのほうが劇場という空間に合っていると感じるのかもしれません。
ミュージカルで見たことのあるお名前がずらり…!
観られてとくに嬉しかったのが、大鹿さんのウィルです。
大鹿さんといえば、「バケモノの子」の蓮役が記憶に新しいです。
歌がとてもすばらしかったですし、蓮というキャラクターを見事に表現されていたように感じました。
今回はストレートプレイで、また違った一面を見せてくださるだろうと期待していました。
大鹿さんの演じるウィルを観ていると、歴史的な人物であるシェイクスピアがなんだか身近に感じられました。
実際のシェイクスピアも、悩んだり恋をしたり、友達とふざけ合ったりしていたのかもしれないなと想像し、愉快な気持ちになりました。
座席について
最後に座席についてです。
今回は、2階の最前列で観劇しました。
手すりが邪魔になることもなく、見やすい席でした。
表情もギリギリ肉眼で見えるぐらいで、細かいところを見たいときはオペラグラスが活躍しました。
ただ、これは当日初めて知ったのですが、1階の通路を俳優さんが何度も通るのですね。
しかも、上手・下手両方の通路を使っていました。
これは2階だとほとんど見えず残念でした。
次に観る機会があれば、ぜひ1階で観てみたいです。
まとめ
以上、「恋におちたシェイクスピア」の感想でした。
ストレートプレイは難しそう…と敬遠している人にこそ観てほしい作品です。
芝居が好きなあなたなら、きっと感じるものがあるはずです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!



コメント