こんにちは、「ノートルダムの鐘」が大好きなぱんのみみです。
「鐘」ファンのあなたなら、ミュージカル「ノートルダムの鐘」には原作小説があることをご存じでしょう。
読んだことはありますか。
私も原作小説の存在は知っており、読書が好きということもあって、「ノートルダムの鐘」初観劇後に購入しました。
手元に届いた本を手にして率直に思ったのは、ミュージカルを知らなければまず手に取らない本だろうなということです。
読み進めてみたところ、確かに少し読みにくいと感じる箇所はありましたが、ミュージカルを観たことがある人なら最後まで面白く読めるだろうなと思いました。
小説のストーリーを頭において再度観劇すると、ミュージカルをより深く楽しめます。
この記事では、「ノートルダムの鐘」原作小説を読んだ感想をお伝えします。
「興味はあるけど、本を買って挫折したらいやだな…」と思っているあなた、まずは私の感想を読んで、面白そうだと思ったら本を買ってみてください!
全体的な感想
まず、全体的な感想をお伝えします。
- 人物の内面を深く理解でき、ミュージカルの考察が深まる
- 劇中のセリフがところどころ出てくるのが面白い
それぞれ詳しくお話しします。
登場人物の内面の描写
小説では、それぞれの登場人物の心の動きが丁寧に描かれています。
例えば、フロローが地下牢でエスメラルダに迫る場面。
原作ではフロローが数ページにわたってエスメラルダに愛の告白をしており、フロローの歪んだ愛が暴走している様子がよく分かります。
小説で描かれている登場人物の内面をを少し頭において観劇すると、物語の解釈をより深めることができて楽しいです。
劇中のセリフ
小説に出てくる会話文や地の文には、劇中のセリフとして生かされている箇所があります。
読み進めていくと、「あ、これだ」と気づくところが何ヵ所かあるはずです。
それに気づけたときは、思わぬお宝を発見した気分でした。
こちらはぜひご自分で見つけていただきたいので、具体的なセリフをお示しするのは差し控えます。
ディズニー映画、ミュージカルとの比較
原作小説に加えてディズニー映画版も知っていると、ミュージカルがいかにうまく作られているかが分かります。
ミュージカルのすごいところ
私の印象では、ミュージカルは「ディズニー映画と原作小説を足して2で割った感じ」です。
原作は、はっきり言って重いです。
救いがなくて、人間の心にひそむ醜い部分をまざまざと見せつけられます。
一方でディズニー映画は、結末がすべて丸くおさまっているのが少し無理やりな感じがします。
フロローが絶対的な「悪」として描かれているのも、安直な感じで納得がいきません。
その点ミュージカルは、ディズニー映画の筋立てや音楽を生かしつつ、小説の要素も随所で取り入れることで物語に深みが出ています。
ラストは小説より救いがあって、何より終わり方が美しくてほっとします。
「ノートルダムの鐘」のロゴの下には、Based On The Victor Hugo Novel And Songs From The Disney Film(=ヴィクトール・ユゴーの小説とディズニー映画の音楽に基づいている)と小さく書かれています。
映画と小説を知ったうえでミュージカルを観ると、この言葉がストンと腑に落ちました。
キャラクターづくりの違い
小説とミュージカルでは、登場人物の描かれ方に違いがありました。
カジモドとフロローは、ミュージカルから受けた印象とそれほど変わりはありませんでした。
一方で、フィーバスのキャラクターはミュージカルと全然違っていました。
小説のフィーバス(本文中では「フェビュス」)は、誠実さが全くなく汚い言葉をたくさん使っていて、ダメ男としか思えませんでした。
エスメラルダがどうしてこんな男に惹かれるのか、理解に苦しみました。
そしてそのエスメラルダですが、小説には彼女の母親が登場します。
エスメラルダは、1歳のころに母親の元からさらわれてしまったという設定です。
処刑の直前に2人は劇的な再開を果たすのですが、せっかく会えたのに2人ともすぐ死んでしまいます。
恋をしたのはダメ男で、ストーカーにつきまとわれ、無実の罪で処刑され…と、エスメラルダがつらい目にばかり遭っていて悲しくなりました。
好きな場面
ここまで書いたとおり原作は重いですが、好きな場面もあります。
私が好きなエピソードは、カジモドの出自と名前の由来です。
ミュージカルと違い、小説のカジモドとフロローは、まったくつながりのない赤の他人です。
フロローは年の離れた弟のジャンを深く愛しており、「ジャンがこの先どんな罪を犯しても、自分が捨て子を育てるという善行を積んだことによって償われるように」という思いでカジモドを育てたのです。
弟への愛が捨て子を育てる原動力になるのはちょっと飛躍しすぎかなと感じますが、フロローが弟を心から愛しており、真摯に生きようとしていることがわかります。
そして、カジモドの名前には、「できそこない」の他にもう一つの意味があります。
フロローがカジモドを拾ったのは、キリスト教の祝日である「白衣の主日」でした。
「白衣の主日」はラテン語で「カジモド」と言うそうです。
カジモドの名前に込められたのが「できそこない」というひどい意味だけでなくて、少し救われた気持ちになりました。
読破のコツ
そんな原作小説ですが、読破するにはちょっとコツがいります。
この小説は200年前のフランスで書かれたものなので、現代の日本で生活する私たちには理解しにくい表現もあります。
話の本筋に関係のないエピソードや、えんえんと続く会話文もよく出てきます。
よって、読破するコツは、
読みづらい箇所は飛ばす
ことです。
ユゴー先生には失礼かもしれませんが、物語を楽しむためなので許してほしいです。
物語の中には、本筋に関係のない章もあります。
例えば、上巻の第3篇は当時のパリの風景を描いたもので、話の本筋には関係ありません。
知っている人が出てこなくて何も起こりそうにないと思えば、とりあえず飛ばし読みして大丈夫です。
それから、「」でくくられた会話文がやたら長い箇所が多いです。
いわゆる「心の声ダダ漏れ」という感じでしょうか(笑)
そのような長い会話文も、本筋には大きく影響しないので、流し読みで構いません。
ミュージカルでおなじみの登場人物が出てきて話の筋が見えてきたら、ぐっと面白くなってきますので、それまで頑張って読んでください。
「それでもやっぱり難しそう…」と思う場合は、「ノートル=ダム・ド・パリ」の解説書をおすすめします。
こちらはEテレで放送された「100分de名著」のテキストです。
著者は、フランス文学者である鹿島 茂さんです。
小説の要約と解説が書かれており、一読すればストーリーが分かります。
当時の社会情勢や現代の私たちにはなじみのない言葉などの解説もあり、小説と合わせて読むと内容の理解が深まります。
まとめ
以上、「ノートルダムの鐘」原作小説のお話でした。
多少読みにくいところはありますが、ミュージカルと合わせて読めば、観劇がもっと楽しくなることは間違いありません。
ぜひ、本を手に取ってみてくださいね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!


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