劇団四季「オペラ座の怪人」観劇レポ 2026.9.13

感想記事

先日、新しくなった名古屋四季劇場を初めて訪れ、「オペラ座の怪人」を観劇しました。

「オペラ座の怪人」は何度か観たことがあり、大好きな作品です。
今回は新しい劇場で観られるという点でも楽しみでした。

劇場に着いてキャストボードを見ると、観たかった俳優さんのお名前がずらりと並んでいて期待が高まりました。
特に嬉しかったのが、いつか観たいと思っていた飯田達郎さんのファントムが観られたことです。

この記事では、舞台の感想を綴ります。
かなり深いところまでお話しするので、まだご覧になっていない方はご注意ください。

では、まいります。

今回の観劇で感じたことと解釈

ファントム、クリスティーヌ、ラウルの関係

今回の観劇では、ファントムとクリスティーヌは音楽でつながっていたんだなということが強く感じられました。

美しいものを愛する怪人にとって、クリスティーヌの音楽的才能はまさに愛すべき対象だったはずです。
その音楽に対する愛が、いつしか彼女自身に向いていったように感じられます。

怪人は美しいものが好きだからこそ、自分の醜い容姿を呪っているように思えました。
だから仮面をはがされたときの「呪われろ」は、半分は自分に向けた言葉だったのかもしれません。
今まで何度か観劇してきましたが、そんなふうに感じたのは初めてでした。

そのあとに、のちに「醜さは顔にはない」とクリスティーヌが歌うのと同じメロディが流れているのが深いなと思います。

一方のクリスティーヌは、ファントムを恐れながらも彼の音楽的才能には惹かれてるように思います。
「ついていってはダメだとわかっている、でもなぜだか惹かれてしまう」という危うさが感じられます。

ラウルはそんな彼女を現実に引き留めている感じです。
「愛している」と告白するのも、もちろん本当に彼女が好きというのはありますが、彼女を現実に留めておきたいという思いが根底にあるようにも見えました。

ファントムの中にひそむ「人間らしさ」

「オペラ座の怪人」を観ていて切なく感じるのは、怪人の「ただの愛されたかった男」という一面が顔をのぞかせる瞬間です。
特に達郎さんのファントムは、この表現が上手かったと思います。

ラストの地下室のシーンは、何度観ても心動かされます。

クリスティーヌの口づけを受けているファントムが、彼女を抱きしめようとしてどうしても触れられずにいるのがたまらないです。
あれほど彼女をものにしようとしていたのに、いざ真っすぐな気持ちを向けられると、愛された経験がないばかりに戸惑ってしまったのかもしれません。

そのあと怪人がクリスティーヌとラウルの2人を行かせるとき、「あの舟に乗れ」と言いますが、舟がないと自身も外に出られなくなります。
このときが、怪人が永遠に身を隠すと決めた瞬間なのかなと感じました。

怪人がクリスティーヌに歌いかける「I love you」や、たったひとりで口ずさむ「マスカレード」は、涙なしには聴けません。

観客は、怪人がさんざん身勝手なことをしてきたのを見ているのに、最後には不思議と怪人に寄り添っています。
それはきっと、怪人の孤独を知ったうえで、彼が「愛に敗れたただの男」になる瞬間を目にするからだと思います。

好きなシーン

私が「オペラ座の怪人」の中でものすごく胸が高鳴るシーンが2つあります。

一つ目は物語の始まり、シャンデリアがゆっくり上がって昔のオペラ座へと時が戻っていくところです。

競売人の「昔の亡霊も逃げ出すことでありましょう…さあ!」のセリフとともにシャンデリアの覆いが外され、明かりがついてまるで生き物のように動き出す…
あの瞬間はものすごい高揚感です。

二つ目は、怪人の登場シーンです。

第一声「私の宝物に~」が聞こえると、「おお…来たか!」と再び高揚感が訪れます。
このフレーズは、怪人が姿を現し、物語が動き出すきっかけとなるとても大事なところだと思うのです。
毎回期待しているシーンです。

ついでに特に好きな歌唱シーンも挙げるなら、「プリマ・ドンナ」の七重唱、墓場のシーンとラストの三重唱です。
各人がそれぞれの思いを歌い上げる感じの重唱が、聴きごたえがあって好きです。
歌詞を聞き取るのは大変ですが…「プリマ・ドンナ」は未だに全部は聞き取れていません(笑)

キャストについて

当日のキャストです。

特筆すべきは、なんといっても飯田達郎さんのファントムです。

前回の大阪公演で、達郎さんのラウルとお兄さんである洋輔さんのファントムの組み合わせを観たことがあり、感動したのを覚えています。
今回はその達郎さんがファントム役ということで、とても楽しみでした。

先ほど好きなシーンのところでお話しした、「私の宝物に~」の第一声からぐっと引き込まれました。
思わず目を閉じて、少しの間達郎さんの声だけをじっくりと味わったほどです。

達郎さんのファントムは、クリスティーヌに執着して彼女をものにしようという支配欲と、「ただ愛されたかった男」の細やかな表現が素晴らしかったです。

海沼さんのクリスティーヌは、1幕の不安げで危うい感じと終盤のはっきり心を決めた感じの演じ方がいいです。

加藤さんのラウルは、そんなクリスティーヌを怪人から守る頼もしい青年でした。
グレイやジーザスも良かったですが、加藤さんは「たくましい青年」の役がとりわけお似合いだと思います。

座席について

今回は、2階の2列目センターブロックで観劇しました。

大阪よりもコンパクトな劇場なのでしょうか、シャンデリアやプロセニアムアーチがすぐ近くに感じられて見応えがありました。
前の人が視界を遮ることもなく、とても見やすく設計された劇場だなと感じました

1階席もいいですが、オペラ座はやっぱり2階席で観るのが好きかなと思います。

まとめ

以上、「オペラ座の怪人」名古屋公演の感想でした。

観るたびに、やっぱり「劇団四季のオペラ座の怪人は凄い」と思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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